CAETLA×KFC
代表取締役社長 山本健様インタビュー
プレス/岩瀬ひより、菅勇吾
Keio Fashion Creatorでは昨年度からSDGsに関する活動を始動しております。今回は人にも地球にも優しい循環型傘メーカーのサエラ様にご協力いただき、作品撮りとインタビューを行いました。このページでは代表取締役社長 山本 健さんのインタビューをご紹介いたします。
サエラが考えるSDGsとは
私たちはSDGsの地球規模で考えられた持続可能な社会実現の17項目を各個人や企業が自分事として捉え実行し貢献しなければならないと考えています。その中で私たちは傘、雨具の企画生産、販売を生業としている企業です。
私たちはSDGsの考え方を意識し、自社として実行できる項目に関して積極的に活動することで利益をあげる仕組みを作る事が必要だと思っています。具体的にはリサイクルしやすい傘を設計し、広いマーケットで販売する、使用後の商品を回収し、再生できるインフラを作る事です。
それが傘における循環経済を作る大きな要因になると考えています。
消費者のあり方
消費者は、販売されているあらゆる商品の環境負荷を理解し購入する努力をしなければいけないと思います。
例えばビニール傘に関していえば、多くの消費者は緊急使用という用途や利便性の対象商品として安いビニール傘を選択しますが、結果は強い風や耐風が過ぎ去った後には街には大量のビニール傘が捨てられたりしていて、結局使い捨ての消費を助長しています。
この根本的な大きな問題を解決するためには、生産環境や社会環境、マーケットを含め個人の考え方っていう大きなベースを多元的に俯瞰して考え、変えていかなければだめだと思います。人の心を変えていくのはすごく大変なことですが、私たちが作っているような日常品が環境配慮型に変わっていけば、それに馴染んだ消費者も変わっていくだろうというのが我々の考え方です。
それでも消費者は消費に対する熟した思考を持たないと、結局社会は変わらない。環境配慮型の商品が多く流通し、市場で大勢を得るためにはエシカルな消費者の考え方が最も必要な事だと思います。
また、私たちはSDGs活動の一環として、サエラ特有の分解できるパーツを活用し、子供たちに各パーツを組み立て製品が完成するまでを教えるワークショップを行っています。そのワークショップでは環境問題とか社会問題のことを始め、エシカル消費等いろんなことを考えてもらうようにしています。今なぜ多くの使い捨て傘がここまで広まったかというのを子供達にわかるように説明し、それは良くないっていうことに気づくようにお話をしています。
大人には、支持してもらえるようにあらゆる工夫をしています。購入され使用した結果として、後から環境にも配慮されている事がわかるような製品を作っています。それが傘に対しての私たちの考えるSDGsへの貢献です。
ビニール傘と人
どうしてこんなに多くのビニール傘が、消費者に指示されているのかを考えて見ると、生活者は雨を喜んで迎える事はありませんし当然晴れやかな青空を望みます。又 多くの人は傘を持ち歩く事を望みません。ですから突然の雨に降られた時、どこでも販売している安価なビニール傘を選択し購入します。
ファッション的にも個性がないビニール傘は人を選ばずあらゆるファッションに対し適応しますが、しかし、一方で簡単に壊れてしまい壊れれば廃棄という使い捨ての結果になってしまいます。
又、安価で個性がないビニール傘はどこか日常品と一画外れたところにあるのかもしれません。普通は人のもの盗む人なんてそうそういませんが、置いてあるビニール傘を、他人のもので有っても簡単に使用してしまう。
SDGsという課題の前に、このような行為をする消費者の考え方や習慣を変えていかなければならないと思います。
社長の思い
v 僕は美しいものが好きです。
そういうものに心が揺るがされたり、感動したりします。美しいものっていうのは、表面的な事だけを言っているのではありません。正義の為に、ひたむきに努力する人達の生きざまを美しいと感じる。そういった自分達の美意識に適合させながら利益を上げて行く事が私の仕事だと考えています。
ファッションっていうのは自分を表現するものだったりすると思うけど、それは仕事でも同様です。傘を事業としているなら傘の商いこそが私にとってのファッションです。
ですから自分達の美意識に見合うモノづくりをしてきましたし、これからもそうしていくつもりです。